陸マイラーが知らないフライトの裏側第二弾として今回は現役客室乗務員のYumeさんにお話しを伺いました。
自己紹介
皆さまこんにちは。現役客室乗務員のYumeと申します!
私は日系航空会社の客室乗務員として約7年間、 現在も国内・国際線ともに日々様々な場所へと飛び回っております。
皆さまは客室乗務員というと、有名ドラマ「やまとなでしこ」の桜子さんのような生活をイメージしていませんか?
高級ブランドのお洋服に身を包み、代官山の高級マンションに住み(桜子さんの実際は古いアパートでしたが・・)、お医者さんや馬主さん、大手企業のエリートサラリーマンと合コン三昧!そして最後は玉の輿・・・じゅるり。
はい、私はそう思っていました!笑
しかし実際はそんな華やかなものではありません。体力勝負の完全縦社会のお仕事。プライベートでは時差にやられて使い物にならず、1日廃人・・なんてことも!
この記事を通して皆様には、あまり知られていない客室乗務員の本当の姿(酸いも甘いも笑)をお伝えできればと思います!
客室乗務員のお仕事
皆さまは客室乗務員(以下CA)といえば、どちらにフライトをしているイメージですか?
私は何故かハワイや沖縄など南国のイメージでした。(キムタクのドラマが影響しているのでしょうか・・笑)
ということで、今回は羽田−沖縄(HND−OKA)のフライトを例に、1日の流れを簡単にご説明していきたいと思います!
〈出社〉
CAの朝は非常に早いです!
3時に起きて4時にはオフィスにいるということも多々あります。
便出発の2時間ほど前には集合し、フライトの準備をしなければならないのです。
同僚はそんな早朝出社のことを「漁師時間」なんて言っています 笑
出社時刻になり全員が揃うと、ブリーフィングのスタートです。まずは自己紹介。
CAは何千人と在籍しているので、初めましての人たちと一緒にフライトすることが殆どです。
しかしだからと言って、コーディネーションが上手く取れずお客様にご迷惑をお掛けししてしまったり、安全のことが疎かになってしまうということは、あってはならないことです。
初対面でもしっかり信頼関係を構築することが重要です。
いかに感じ良く挨拶し、印象を良くしておくかが大切なので、ここですでに接客モード全開!
同時に怖そうな先輩もチェックしておきます笑
次にエマージェンシーの確認。
CAはサービス要員でもあり、保安要員でもあります。
それぞれに担当するドアが決まっており、緊急事態が発生した際には責任を持ってそのドアを解放し、全員を脱出させなければなりません。
ドアや非常用機材は機種によって場所が違ったり、使い方が違うこともあります。フライトの前には毎回しっかりリマインドしているのです。
そして路線特徴やサービス方法の確認、サービスの流れをすり合わせていきます。
CAのブリーフィングが終了したら機長たちと合流し、再びブリーフィングです。ここでは気象情報や飛行経路、飛行時間や高度などを確認します。
〈 飛行機へ 〉
全てが終了するといざ飛行機へ!
飛行機へ乗り込むとお客様をお迎えする前に、各々役割分担された業務をスピーディーに行っていきます。
ここでもたついてしまうと、離陸してからが大変なのでいかに素早く準備できるかが重要です。
非常用機材の確認、客室のしつらえ、フライトに必要な物品の搭載状況のチェックなどを行なっていきます。
飛行機は一度飛び立ってしまうと、目的地までドアは開きません。追加での補充ができないので、フライト前に必要なものがきちんと揃っているかをしっかり確認する必要があります。
以前、紙カップの数が足りず、全てのお客様にお飲み物が行き渡らなかったこともあるそうです・・。国際線においては、機内食が足りなかった!ということもあったそうです・・・!
〈搭乗〉
全ての準備が整ったら、いざお客様をお迎えします!
搭乗中は上の棚を閉めたり、お客様のお手伝いをするだけでなく、同時に不審物や不審者がいないかもチェックしています。ただニコニコしているだけではないのですよ!笑
違和感を感じた方には話しかけて、反応を見ることもあります。
もしあなたが何もしていないのに、いきなり
「何かお困りのことはありませんか?」
なんて話しかけられたら、もしかしたら何かを感じられてしまったのかもしれません!?笑
荷物が適切に収納され、上の棚が全て閉まったら出発なのですが・・
実は上の棚、これが非常に重いのです!!
スーツケースが2、3個入っている時はまるでダンベル上げ!
お客様に不安を与えないように必死で涼しい顔を造って閉めていますが、内心ヒーヒーなのです!
世の男性の皆さま!ここで朗報です!
上の棚を締めるのに苦労しているCAさんを見かけたら是非!お手伝いして差し上げてください!
とっっっっても感謝されます!
そして、CA間であの人は紳士だ!と素敵に共有されます!笑
〈離陸〉
安全に出発できる状況が整ったら、いざ離陸です!
離陸上昇中は、離陸時間からフライトタイムを計算し、着陸予定時刻、次のベルトサイン点灯までに残された時間などを速やかに計算し、サービスプランを組み立てています。
CAがポケットからゴソゴソ小さいメモを取り出して、何かを書いている姿をよくご覧になるかもしれません。
あれって何をやっているの?とよく聞かれるのですが、決して眠気覚ましのお絵かきではないですよ?笑
〈航行中〉
ベルトサインが消えるとお馴染み、ドリンクサービスのスタートです。
余談ですが、ドリンクカートは意外と重いです!
後ろから前にお客様に当たらないよう細心の注意を払いながら運んで行きます。
新人の頃は筋肉痛になったものです。
どうかキュートなお尻でヒップアタックしてしまっても大きな心でお許しくださいませ。
ドリンクサービスが終了すると、適宜客室内を巡回したり、機内販売のご用命を伺います。
飛行時間の長いフライトになると、この時間は比較的余裕があるので何かお話したいことがある場合は是非この時間を狙ってください!
〈着陸〜降機〉
飛行機の降下が開始すると全てのサービスが終了し、着陸に必要な準備が始まります。
お手洗いが混む時間帯になるので、お手洗いは早めに済ませておきましょう!
そして無事に着陸、そしてお客様降機、といった流れになります。
お客様が全員降機されるとCAは速やかにお客様の忘れ物がないかどうかをチェックします。
些細な忘れ物でも、次便で発見されてしまえば、持ち主不在の不審物になってしまうので入念に確認が必要なのです。
全ての業務が終了したらオフィスに帰り、再びブリーフィングを行います。 フライトを振り返り、次回に活かせる情報などを共有しておきます。
・・・・一日の流れはこのような感じです。
フライト後
が!!もちろん1日1フライトでは終了はしません!
国内線においては、基本は1日3本の1往復半。
例えばHND―OKA、OKA―HND、HND―CTS。CTSステイ。などです。
多い時には1日4本の2往復もあります。
4本飛んでいる時には、途中でどちらに向かっているか分からなくなったりもします笑
よく、いろんなところに行けて良いね!と言われますが、案外ステイ時間も短く、トンボ帰り!なんてことも多いのです。
客室乗務員が教える気になるアレコレ
飛行機に乗っていて疑問に思うことってありませんか?
そんな皆さんの疑問にお答えします♪
ドリンクのおかわりって自由?
お客様によく聞かれる質問の一つにドリンクのおかわりがあります。
ドリンクのおかわりは、もちろん何杯でも大丈夫です!
機内は砂漠と同じくらい乾燥していると言われています。
機内にいながら脱水症状を起こしてしまうこともあるので、水分補給は遠慮なさらずしっかりとなさってください♪
是非いつでもお声がけくださいね!
客室乗務員に話しかけていいの?
皆様、是非!積極的に話しかけてください!
CAはお話し好きが多いのです。
お客様は飛行機を1つの移動手段と思ってお使いになる方がほとんどなので、こちらからアプローチしない限り、なかなかお客様から雑談をしてくださる方はいません。
お客様から話し掛けてくださるととっても嬉しいのです!
話しかけるタイミングは?
話しかけるタイミングは、先ほどお伝えしたドリンクサービス終了後の航行中。
もしくはドリンクサービス中です!
ドリンクサービス中に話しかけて良いの!?なんて思われてしまいますが、大丈夫です!
むしろ狙い目かもしれません!
カートが横に来て、ドリンクをオーダーし、作っている間です。
一人一人個別に伺うので話しかけやすいのです。
そうなるとやはり通路側のお座席だと話しやすいのでベストですね!
座席でいうと、客室最後尾のお座席も狙い目です!
降機中はどうしても全員が降りるのに時間がかかってしてしまうので、その時にゆっくりお話しすることができます!
特に修行僧の皆さまの中で、何度もご一緒したことのある方はすっかり仲良しです♩
名前まで覚えてくださっている方も居て、とても嬉しいです。
新人時代から見てくださっている方もいるので、私の成長を感じてくださっています!笑
よくフライトログブックをお預かりし書かせて頂きますが、前回も私が書いてますよ!なんて方もいらっしゃいます。
CAからすると何度もお会いできることは非常に嬉しいことなので、気まずいから……、なんて思わずバシバシ話しかけてください!
何度もご一緒している修行僧の方とは、同じ飛行機でなくても、空港でお会いすることもあり、立ち話しすることもあります。
今日はどちらに修行へ行かれるのですか?
なんてお話しするのも、とっても楽しいのです。
私たちと同じように1日に何度もフライトされている修行僧の皆さま、お疲れがたまらないようにご自愛ください♩ そして見かけたことのあるCAには是非積極的にお話してみてくださいね♪