カドカワ<9468>の第2期定時株主総会に行ってきました。(2016年6月)

本日は、カドカワ株式会社<9468>と株式会社マーベラス<7844>の株主総会がありましたので行ってきました。

まずは午前中にあったカドカワの株主総会の様子からご紹介します。

マーベラスの株主総会と経営状況報告の様子は次の記事でご紹介します。

カドカワ株式会社株主総会概要

開催日:2016年6月21日(火)10:00~11:25

開催場所:ホテル椿山荘東京 プラザ棟5階「オリオン」

お土産:あり
(BOOK☆WALKERギフトカードとニコニコテレビちゃん?のストラップ付ぬいぐるみ)

議決権を行使できる株主数:2万6,884名

その議決権数:68万5,634個
出席参加株主数:7,110名(議決権行使書提出・インターネット上での行使含
その議決権の数:53万7277個(78%)

会場席数:1,320席(座席数から推察)
着席率:前方はおよそ9割ほど(後方はほとんど座ってなかった様子)

銘柄情報

単元:100株
総会前日の終値:1,380円
株主優待:あり(100株以上)
1年以上保有で①~⑤のいずれか1つ。
3年以上保有は上記に加えて①~④のいずれかを追加
①文庫・新書・コミック
②単行本
③映画チケット
④電子書籍購入ポイント(BOOK☆WALKERカード)
⑤DVD/Blu-ray

決議事項

・取締役11名選任の件

①川上量生 ②佐藤辰男 ③角川歴彦  ④荒川隆司 ⑤松原眞樹
⑥濱村弘一 ⑦夏野剛  ⑧小松百合弥 ⑨船津康次 ⑩星野康二
⑪麻生巌

質疑応答

以下、質疑応答ですが要約・意訳している場合があります。
またAの横の括弧は回答者(敬称略)です。

Q1. ニコニコ生放送に関して質問

Q1-1「昨年の総会で画質の向上について述べていたが画質が向上しているように見えない。格闘ゲームやアクションゲームの配信がYoutube LiveやTwitchに移行しているような状況にあるが、どの辺が変わったのか説明してほしい。」

A1-1(川上)「画質については計画の遅延により上期中に実現できていない。遅延の理由としては、単純に回線を増やせば良いという問題ではなくシステムを抜本的に作りなおさなければならない。今年の夏には実現できていると思う。」

Q1-2「ニコニコのリニューアルを行うと言っているが、そのリニューアルには画質の向上だけでなく、30分という枠の制限やビットレートの制限、ログインしないと見られない制限といった競合に劣っているシステム面の改修も含んでいるのか。」

A1-2(川上)「他社との違いについてデメリットがあることは承知している。もっともニコニコは世界で唯一成功しているビジネスモデルであると思っている。年内に何らかを出せるのではないか」

Q2. 髙寺プロデューサーについて

Q2「髙寺プロデューサーが東映から角川に移ってから『大魔神カノン』以外作品を出していないが、どういう状況なのか」

注:髙寺プロデューサーとは、テレビドラマプロデューサーの髙寺成紀氏。『激走戦隊カーレンジャー』『仮面ライダークウガ』『仮面ライダー響鬼』などのプロデュースをしてきた方。

A2(井上)「髙寺プロデューサーは、角川書店から角川大映に移って現在企画中。調布市とのコラボによる『高寺成紀の怪獣ラジオ』のパーソナリティーを昨年やっていた。」

Q3. ファミ通の誤報(飛ばし記事)について

Q3「ファミ通でソニー・コンピュータエンタテインメントが今後携帯型ゲーム機を出さないという誤報がでたが、コンプライアンスはどうなっているのか」

A3(浜村)「(記事の内容は)正しいと信じていたが、編集部でも相談の上、誤りであったと謝罪して問題は収束したものと思っている。」

Q4. 営業利益減少予想の理由

Q4「平成28年3月期と平成29年3月期の売上見通しは横ばいだが、営業利益は90億円から30億円に減少しているのはなぜか」

A4(川上)「平成28年3月期には、ゲーム事業でヒット作があり営業利益が上振れた。それがなくなる分、減少しているように見える。また紙媒体の出版事業は厳し目の予想をしている。さらに現在は端境期であり書籍事業やポータル事業において投資が嵩んでいる。具体的には33.8億円投資が多くなっている」

Q5. 転売ヤーをなんとかしてくれ

Q5「ライブ事業に関するお願い。チケットの転売対策をしてほしい。他社では対策を導入しているところがある」

A5(川上)「転売は当社だけでなく業界全体の問題であると認識している。オークションサイト等への申し入れはしているが、抜本的な解決にはなっていない。対策は、時間・費用対コストの面で導入まで至っていない。技術の進歩で対策は今後進むものと思っており、良い技術があれば導入していきたい」

Q6. アフィサイトについて

Q6「ファミ通の30周年記念のゲーム史年表に悪名高いアフィサイトの「はまち」や「JIN」が載っていた。どういう認識を持っているのか。」

A6(川上)「いわゆる「まとめサイト」には著作権などの問題があるが、PV数が多く一定の影響力を持っているのも事実。一定の距離を置いているが、ネット上である程度の影響力を持っているという事実をもって載せるという判断を現場がしたのではないか。ただし、それらのサイトのビジネスモデルには懸念があり、それらを認めるという見解を示したものではない。」

Q7. 映像事業の中長期的ビジョン

Q7「WEB事業については、赤字だとしても方向性も明確である。他方で映像事業については、種はいっぱいあるが、どれもいまいち結果が出ていない。中長期的なビジョンを教えてほしい」

A7(川上)「前期については統合による混乱もあってメディアミックスがうまく行かなかったところがある。今期の4月からについては過去最高の数のメディアミックスを行っている。」

Q8. 売上構成比の中長期的展開

Q8「現在は売上構成比で書籍IPが40%程度だが、今後5年~10年の売上構成比をどう考えているか。どこを強みとして育成していくか」

A8(川上)「売上比率をどうしようといった考えはないが、利益率の高い事業に注力、成長力の高い分野に取り組んでいく。例えば書籍でも紙媒体から電子媒体に変わってきている。もちろん紙よりも電子の方が利益率は高い。」

Q9. (ピョコタンが質問)ニコ生主の評判の悪さ

Q9「ニコ生主の中には、迷惑行為や犯罪行為をして警察沙汰になっている人間がいるが、そういった人間が運営が認めないともらえない有料チャンネルを開設している。また、まとめサイト運営者のJINもチャンネルを開設しているが、チャンネル付与やチャンネルBANの基準はどうなっているのか」

注1:ピョコタンとは、マンガ家でニコ生などでも活動している方。黄色いTシャツを着ていることが多く、この日も黄色いTシャツを着て一番前の中央に座っていた。

注2:チャンネルBANとは、チャンネルの利用権限の一時停止や永久停止を含む処置。規約や法令違反した際に運営が行う処分としてなされることがある。

A9(川上)「前提として、ニコニコは思想信条を問わずに利用できるものである。内容について運営は基本的に口出ししないが、警察沙汰など社会的に迷惑をかけるような行為については対応を行う。その基準については、明確な基準がないのは事実である。しかし基準を設けてしまうと、その基準に抵触しなければよいと考える人が出てくるというデメリットもある。対処に関する不公平感については改善していきたい。運営に対して不満があればどんどんと言ってほしい。」

Q10. 最先端技術で夢のあるサービスを

Q10「人工知能やVR(バーチャルリアリティ)を組み合わせて若者に夢のあるようなコンテンツ・サービスを作って欲しい」

A10(川上)「人工知能は、話題になる前から目をつけてきた。近い将来何らかのビジネスができるのではないかと思っており、これからを期待していてほしい。VRについてもライブ分野については相性が良いと思われ力を入れていきたい。」

Q11. N高について

Q11「”教育”で利益を追求していくのはどうかとも思うが、どのように考えているのか」

A11(川上)「N高については2つの理由から評価されている。①次世代型教育システムで双方向のやり取りをしている②不登校の生徒の救済となっている。ご質問で利益追求と仰ったが、現在はスタートしたばかりということもあり投資が嵩み、逆に儲ける気があるのかと言われるほどである。最終的には利益を出せるようにしていくが、利益が出るようになったら同じ質問をしてほしい」

Q12. 自作ゲーム

Q12「自作ゲームへの施策を教えて」

A12(川上)「自作ゲームは面白く、可能性があると思っている。ただUGC(User-Generated Contents)サイトとして、ゲーム製作者は、他の音楽・動画製作者と比べるとどうしても少なく、どのように支援していくのがよいのかは考えているところである。他社に劣後するようなことにはしない。」

Q13. 新施設について教えて

Q13「所沢の印刷工場のメリットと併設するラノベミュージアムの詳細など新施設の考え方を教えてほしい」

A13(川上)「単純に印刷費を削減するのではなく、流通を含めた問題を解決、効率化、競争力を確保する。またライトノベルのミュージアムについては、ライトノベルのシェアの過半数を有している責任としても日本のサブカルチャーを海外に向けて発信する場という点でも取り組んでいきたい」

Q14. 超歌舞伎について

Q14「超歌舞伎が素晴らしくて何度も見てしまったがBD等のパッケージ化はしないのか」

注:ニコニコ超会議2016で行われたボカロ曲「千本桜」と歌舞伎を代表する作品のひとつ「義経千本桜」が融合した独自演目。

A14(川上)「超歌舞伎は評判がよく次回の超会議でも実施を検討している。パッケージ化の時期については検討している。」

Q15. MMD(ミクミクダンス)も忘れないで

Q15「MMD投稿者だが、ニコニコ超会議でも最近フィーチャーされていない」

A15(川上)「MMDは誰でも使える3Dフォーマットとして意義があり応援してきた。応援するというスタンスは変わっていないが、会場の面積の都合もあり、フィーチャーできないこともある。特に超歌舞伎など新しいものが出てくると、逆に出せないものも出てくる。ニコニコ動画では、これからもサポートしていく。」

Q16. 物流センターについて

Q16「所沢の物流センターについてどういうものか教えて」

A16(川上)「まず物流センターを作ることに加えて、日本のサブカルチャーを発信する施設を作る構想がある。詳細は今後発表していく」

Q17 海外展開

Q17「IPの数は多いが、海外展開についてどうか」

A17(川上)「海外展開には力を入れており実績もある。海外にニーズは存在しており、一時期パッケージが売れなくなったこともあるが、ネット配信等を通じて拡大している。アシェット社と合弁外車を設立するなど日本で得意とするメディアミックスの手法を海外でも展開する」

Q18. 社会貢献活動

Q18「社会貢献活動をしていれば教えて。面白いコンテンツを作るのが貢献というのはなしで」

A18(川上)「CSRについては、他社と比べて多くやっていると思っている。所沢の物流センターもそうだが、大学への寄付講座や国会中継なども社会貢献に繋がっている。社会貢献となるようなものは積極的に行っていると自負している」

お土産

お土産は、BOOK☆WALKERギフトカード1,000円分とニコニコテレビちゃんのストラップ付ぬいぐるみでした。

最新情報をチェックしよう!